近年は高齢者の多い施設でのAEDの設置が増加しています

最初の数分が蘇生率を左右します

AED(自動体外式除細動機)は、心臓に電気ショックを与えることにより、心臓の危険な状態を取り除いてくれる機械のことです。使い方は簡単で、最初にスイッチを入れるだけで、あとは機械が音声で指示してくれるため、指示に従えば、知識が無くても確実に電気ショックを与えることが出来ます。

主に心筋梗塞などで心停止状態にある場合、咳、呼吸、身体の動きといった循環サインの確認が取れないとき、意識が確認できないときに使用します。AEDを救命救急士や医師だけでなく、一般の人も使用することにより、多くの人簿との命を救うことが出来ると期待されています。

病院外での心臓停止による突然死は、国内で年間2〜3万人と推定され、その半分以上が「心房細動(心臓が小刻みに痙攣し、全身に血液を送り出すことが出来なくなった状態)」といわれています。AEDは、病院外で確実に心室細動を直すことが出来る唯一の方法です。

心室細動がおきてからAEDを使うまで、1分遅れるごとに蘇生の成功率は7〜10%も低下します。現場の一般人がAEDを3分以内に使えば蘇生率は70%ありますが、平均で6分かかる救急車の到着を待っていると、35%になってしまいます。放置すれば助からない命も、私たちがAEDを使用することで助かるかもしれないのです。

AEDは心臓病で亡くなる患者さんが日本よりも多い米国で開発されました。心臓病の中でも急性心筋梗塞は発症直後に脈の不整が生じ、最悪の場合、死に至ることがあります。特に心臓が不規則に波打つような心室細動という状態になると、ポンプとしての機能は消失し、全身に血液を送れなくなり、放置すると数分で死にいたる。

これに対し即座に電気ショックを与えると正常に復すことがわかっており、病院では以前より除細動器を使って対応してきました。ただ迅速に対応する必要があるので米国では第一発見者がすぐに行えるように、コンピューターが内蔵された除細動器つまりAEDが空港などの公共の場所に設置され、効果を上げてきました。

日本でもいち早く導入された愛知万博でその有用性が実証されました。一方、学校におけるAEDの設置は心臓部への衝撃や運動に関連して起こる心室細動による心臓突然死を阻止する為に導入されました。AEDの仕様や操作は簡単で、一度講習を受ければ使用は可能です。

AEDの話をすると「話や理屈はわかるが実際にはちょっと」と敬遠されがちですが、米国ではAED使用で生じる不具合よりも、AEDを使用しないで生じる不利益が圧倒的に大きいという考えから、一般市民が積極的にAEDを使うよう提唱されています。