生活習慣の改善で動脈硬化の進行を抑える

不摂生な生活は見直しが必要

私たちの生命活動に欠かせない酸素や栄養素は動脈によって、身体の隅々にまで運ばれます。動脈の壁は内側から内・中・外膜と三層構造になっており、表面は内皮細胞で覆われているため、血液はスムーズに流れることができるのです。

しかし、コレステロールが高いと、コレステロールが血管の壁に付着するなどの原因で動脈の弾力性が失われ、血管が硬くなったり、内側が狭くなるなどして、血液が流れにくい状態になってきます。この状態が動脈硬化です。

動脈硬化にはコレステロールなどが血管の内側の壁に付着することによって起こるアテローム(粥状)硬化、高血圧が長く続くことで脳や腎臓などにある細い動脈に障害が起きる細動脈硬化、そして喫煙や糖尿病、高血圧、代謝異常などによって動脈壁の中膜にカルシウムが沈着して固まる中膜石灰化硬化の3つがあります。

このなかで心筋梗塞の原因となるのがアテローム硬化で、大動脈や冠動脈、脳動脈など、太い血管に起こりやすくなっています。動脈硬化の進行は人それぞれで、近年は10〜20代と言った若い世代でも動脈硬化が進行している人もいます。

動脈硬化は無症状のまま進行して、本人が「何かおかしい」と気付いたときにはかなり重症となっていることが多いのが特徴です。例えば、狭心症で症状が現れるのは動脈硬化が進行して、血管の4分の3以上が詰まった状態になってからとされています。

したがって、それまで心臓の病気とは無縁で元気に生活していた人が、突然狭心症から心筋梗塞を起こし、死亡するケースも少なくありません。本人の自覚症状がないため、不摂生をして動脈硬化を進行させてしまうのです。

動脈硬化が進行してくると、硬化を起こしている動脈の部位によって様々な症状が現れます。脳動脈では、頭痛、眩暈、頭が重いなどが現れます。冠動脈では、運動時の胸痛や睡眠中の胸痛(狭心症)、動悸、息切れが現れます。腎動脈では、頻尿、夜間尿、タンパク尿、むくみなどが現れます。

現在、日本人の死因で最も多いのが「がん」となっており、全体の約3分の1を占めるに至っています。心臓病、肺炎、脳卒中がそれに続きますが、このうち心臓病と脳卒中は動脈硬化が発症の原因となりますので、健康で長生きするためには動脈硬化を予防することが非常に重要といえるでしょう。

動脈硬化を進行させる危険因子には、脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満、高尿酸血症、肥満、喫煙、ストレス、遺伝的要因などが挙げられます。遺伝的要因だけはどうにもなりませんが、そのほかは生活習慣が重要な原因となっています。すなわち、動脈硬化の進行は、食生活や運動などをはじめとする生活習慣の見直しによって、ある程度進行を抑えることができます。