健康診断だけでは心臓病の早期発見できない?

医師から検査結果の説明を受ける

お勤めの職場、市区町村で実施される健康診断(以下、健診)の検査項目で、直接心臓病の有無を調べるものとしては「心電図」と「胸部X線」があります。

心臓の働きをひととおりチェックする心電図検査は、心臓病があれば発見することができますが、狭心症や不整脈の多くは、発作が起きている時でないと心電図に変化が記録されることはありません。

心筋梗塞の場合も、以前に一度でも心筋梗塞の発作を起こしていれば心筋に傷が残り、心電図に変化が現れますが、初めての場合は発作が起きていないと発見できません。

したがって、心臓病の大半を占める狭心症、心筋梗塞、不整脈を健診で一般的に行われる安静時心電図で発見することは難しくなります。発作時の異常をリアルタイムで記録するためには、24時間携帯して測定を行うホルター心電図などが必要となります。

胸部X線検査では、心臓が大きくなる心肥大や心拡大を発見できますが、ある程度大きくならないと判別できないので、やはり早期の心臓病を発見するのには向いていません。

だからかといって胸部X線が無駄というわけではなく、心臓病の発見に至る例は多くあります。健診で併せて行われる問診や診察、身体測定、血液検査などの結果を総合的に検討することで、心臓病の疑わしい例を発見することができるのです。

一般の健診で行われる血液検査の項目には、単独で心臓病を発見できるものありません。しかし、心臓病の大半を占める虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)の原因となる動脈硬化の進行具合をチェックする項目(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)があり、これらを血圧や身体測定の結果とあわせれば、心臓病の兆候を早い段階で把握することもできます。

しかし、心臓病を早期に発見するためには健診のみでは十分とはいえません。先天性の心疾患の場合、その多くに特徴的な心雑音が見られるため健診で発見することができますが、大人になってから発症する後天性の心臓病の多くは、詳しい検査をしないと早期発見が難しいのが現状です。なかでも、早期の弁膜症や糖尿病の合併症として発症する冠動脈疾患多くは、病状が相当進行しない限りなかなか発見できないのです。

軽い症状を既に自覚している場合は、健診で行う初歩的な検査ではなく、専門的な検査を受ければ、多くの場合病気かどうか、あるいはどんな治療が必要になるのかが分かります。ただ、それほど頻繁ではない不整脈は、なかなか築かない場合もありますし、症状が出たときには即命の危険に繋がるということも考えられます。

そのため、健診で心臓そのものに異常がないと言われても安心せず、動脈硬化や心臓病を防ぐために食生活や運動不足の解消、お酒の飲みすぎを控えるなどを心かげることが大切です。

動脈硬化は生活習慣病といわれ、1日の総カロリーの過剰摂取や栄養バランスの偏り、運動不足が強く関係しています。特に、食事の過剰摂取は内臓脂肪の蓄積によって肥満を助長し、メタボリックシンドロームの原因となります。また運動不足は動脈硬化を予防する働きのある善玉コレステロールの数値の上昇を抑えてしまいます。

運動としては散歩、水泳、サイクリングなど体内に酸素を取り込みながら行える有酸素運動やストレッチなどが、心臓病の予防に繋がることが明らかになっています。既に心臓病と医師から診断を受けている人は、運動で身体に負担をかけると逆効果になりますので、専門医の指示をよく守ってください。